「神奈川県立横浜清陵総合高校」での2週間のインターンシップ体験と、その後の教職に関する近況報告をつづるブログ
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いよいよ今日から夏季連携公開講座「DTP基礎」がスタートした。「DTP基礎」は横浜清陵総合高校で行われている「DTP入門」という授業の圧縮版で、全6日間行われる。僕たちインターンシップ生は、そのサポート役をやらせていただくことになっている。講座初日から、いろいろな立場から教育現場を見れる機会となった。
本日のミッションは以下の通り。
来た生徒は全部で17人。
内12人は清陵の生徒で、他5人は他の高校から来た生徒だ。友達同士で参加している子もいればそうでない子もいて、高校の1クラスを見ているようだ。希望生の選択講座なだけにみんなとても意欲的だった。
ハードスケジュール
1日目にしてテキストの半分を終えてしまおうというハードスケジュールだった。午前は先生がテキストの内容に相当する知識を解説。身近な例をたくさん交えているのが印象的だった。大変そうな生徒もいたが、なんとか乗り切れた。
3つの視点から現場を見る
初めは緊張して話しかけづらかった生徒に、だんだんと冗談交じりに打ち解けられるようになった。そうすると自然に生徒の目線で同じ授業を見ることができ、5年前に自分が同じような立場に居たことを思い出した。
また、(授業はしないものの)一応教える側の立場として生徒の分からないところを手助けすると、先生側の視点も徐々に感じられてきた。
先生の説明を聴くときなど、サポートの仕事が少ないときは教室全体を見渡すことができた。眠そうにしている生徒、暇そうにしている生徒、一所懸命に先 生の話を聴いている生徒、全体に目を配りながらテンポの良い授業展開をする先生と、いろいろなものが目に入ってきて、こういう一人ひとりが教室を作っ てるんだなと実感した。
自由度の高い課題が面白い
午後は色に関する基礎的な説明の後、清陵の広報ハガキを作成した。高校の写真やロゴなどの素材が用意されてはいたものの、レイアウトに関しては自由度の高い課題だった。ラフスケッチの後、Wordで構成していき、できるところまでで中間提出という形だ。言われたことをやるのが得意な生徒も、この課題では個性が表れ、サポートしているこちらもとても面白かった。課題の自由度が高ければ高いほど教師はそれを評価するのが難しいと思うが、こういう課題を通じて生徒が興味を持ってくれ、最後には成長した成果を見せてくれると思うと、(それが自分の専門分野でなくとも)苦労し て準備する価値があるなと思った。
IrfanViewとPOV-Ray
講座が終わり生徒も帰った後、五十嵐先生より実習指導をしていただいた。今回は世界的に有名な画像編集ソフト「IrfanView」の活用方法を教わり、3D-CGの作成ソフト「POV-Ray」を体験した。
「IrfanView」は、フリーソフトなのに程よく高機能で、直観的な操作で画像の編集を行うことができる。特に強力なのが「一括処理」と「キャプ チャ」の機能。生徒が撮った写真などをまとめてリサイズし、容量を最低限に抑えた状態で使わせることでサーバーの負荷の低減させることができる。これを 手作業で1枚ずつ処理していると時間がいくらあっても足りないが、IrfanViewを使えばほんの少しの手間と時間で、こんなことが簡単にできる。 また、キャプチャ機能は教材を作るだけでなく、自分が新しいソフトの使い方を習うときにも画面を記録しておくのに使えるということを習った。
「POV-Ray」は、光を操ることでCGを描くレイトレーシングという種類のCG描画ソフト。使ったのは2度目だったが、「教材」として改めてみてみ ると、学習に使える要素がたくさん見えてきた。CGの学習としてだけでなく、プログラミングの基礎学習や光の学習としても使えることが分かった。
例えば、一見すると同じように見える以下の二つの画像ですが、右側は「アンチエイリアシング」という処理をしてジャギー(画像を拡大すると見えるぎざぎざ)が抑えられているのが分かります。
[↑クリックで拡大]
作品を大切に。ゴールをチラつかせる。
授業外では、教師の心得のようなことも教わった。印象的だった二つを取り上げる。一つは、「生徒の作品を大切にする」ことである。自分の作品が大事に扱われると、生徒はやる気を出してくれる。生徒側からみると当たり前のことでも、教師の考えではなかなか思いつかないことだなと思った。
もう一つは、「ゴールをチラつかせる」ことだ。例えばこのDTP基礎の講座では、最終課題として三つ折りのチラシを作成する。これが今回のゴールになるわけだ。五十嵐先生はこのことを授業の中でもたびたびおっ しゃっていて、例もいくつか提示していた。そうやって所々で生徒にゴールを見せ、認識させることで、「どんなことができるようになるのかよくわからな い」、「今やってることが何に役立つのか分からない」といった不満を解消できるのだ。授業でのちょっとした作品紹介にこんな意図があるとは思ってもみ なかったのでとても勉強になった。
良く考えれば僕が事前指導を受けたときにも、過去にインターンシップに来ていた先輩の作品をいろいろと見せられた気がする。これでもかというほど細かい配慮が積み重なって、「気持ちの良い授業」ができているのを目の当たりにした瞬間でした。
明日は先生の授業のテンポや生徒のやる気に目を向けて過ごしたいと思う。
本日のミッションは以下の通り。
午前: 環境設定+テキスト前半(年賀状、フェアチラシの作成)
午後: 色の基礎+広報ハガキ(前半)
午後: 色の基礎+広報ハガキ(前半)
放課後: 先生からの実習指導
来た生徒は全部で17人。
内12人は清陵の生徒で、他5人は他の高校から来た生徒だ。友達同士で参加している子もいればそうでない子もいて、高校の1クラスを見ているようだ。希望生の選択講座なだけにみんなとても意欲的だった。
ハードスケジュール
1日目にしてテキストの半分を終えてしまおうというハードスケジュールだった。午前は先生がテキストの内容に相当する知識を解説。身近な例をたくさん交えているのが印象的だった。大変そうな生徒もいたが、なんとか乗り切れた。
3つの視点から現場を見る
初めは緊張して話しかけづらかった生徒に、だんだんと冗談交じりに打ち解けられるようになった。そうすると自然に生徒の目線で同じ授業を見ることができ、5年前に自分が同じような立場に居たことを思い出した。
また、(授業はしないものの)一応教える側の立場として生徒の分からないところを手助けすると、先生側の視点も徐々に感じられてきた。
先生の説明を聴くときなど、サポートの仕事が少ないときは教室全体を見渡すことができた。眠そうにしている生徒、暇そうにしている生徒、一所懸命に先 生の話を聴いている生徒、全体に目を配りながらテンポの良い授業展開をする先生と、いろいろなものが目に入ってきて、こういう一人ひとりが教室を作っ てるんだなと実感した。
自由度の高い課題が面白い
午後は色に関する基礎的な説明の後、清陵の広報ハガキを作成した。高校の写真やロゴなどの素材が用意されてはいたものの、レイアウトに関しては自由度の高い課題だった。ラフスケッチの後、Wordで構成していき、できるところまでで中間提出という形だ。言われたことをやるのが得意な生徒も、この課題では個性が表れ、サポートしているこちらもとても面白かった。課題の自由度が高ければ高いほど教師はそれを評価するのが難しいと思うが、こういう課題を通じて生徒が興味を持ってくれ、最後には成長した成果を見せてくれると思うと、(それが自分の専門分野でなくとも)苦労し て準備する価値があるなと思った。
IrfanViewとPOV-Ray
講座が終わり生徒も帰った後、五十嵐先生より実習指導をしていただいた。今回は世界的に有名な画像編集ソフト「IrfanView」の活用方法を教わり、3D-CGの作成ソフト「POV-Ray」を体験した。
「IrfanView」は、フリーソフトなのに程よく高機能で、直観的な操作で画像の編集を行うことができる。特に強力なのが「一括処理」と「キャプ チャ」の機能。生徒が撮った写真などをまとめてリサイズし、容量を最低限に抑えた状態で使わせることでサーバーの負荷の低減させることができる。これを 手作業で1枚ずつ処理していると時間がいくらあっても足りないが、IrfanViewを使えばほんの少しの手間と時間で、こんなことが簡単にできる。 また、キャプチャ機能は教材を作るだけでなく、自分が新しいソフトの使い方を習うときにも画面を記録しておくのに使えるということを習った。
「POV-Ray」は、光を操ることでCGを描くレイトレーシングという種類のCG描画ソフト。使ったのは2度目だったが、「教材」として改めてみてみ ると、学習に使える要素がたくさん見えてきた。CGの学習としてだけでなく、プログラミングの基礎学習や光の学習としても使えることが分かった。
例えば、一見すると同じように見える以下の二つの画像ですが、右側は「アンチエイリアシング」という処理をしてジャギー(画像を拡大すると見えるぎざぎざ)が抑えられているのが分かります。
[↑クリックで拡大]
作品を大切に。ゴールをチラつかせる。
授業外では、教師の心得のようなことも教わった。印象的だった二つを取り上げる。一つは、「生徒の作品を大切にする」ことである。自分の作品が大事に扱われると、生徒はやる気を出してくれる。生徒側からみると当たり前のことでも、教師の考えではなかなか思いつかないことだなと思った。
もう一つは、「ゴールをチラつかせる」ことだ。例えばこのDTP基礎の講座では、最終課題として三つ折りのチラシを作成する。これが今回のゴールになるわけだ。五十嵐先生はこのことを授業の中でもたびたびおっ しゃっていて、例もいくつか提示していた。そうやって所々で生徒にゴールを見せ、認識させることで、「どんなことができるようになるのかよくわからな い」、「今やってることが何に役立つのか分からない」といった不満を解消できるのだ。授業でのちょっとした作品紹介にこんな意図があるとは思ってもみ なかったのでとても勉強になった。
良く考えれば僕が事前指導を受けたときにも、過去にインターンシップに来ていた先輩の作品をいろいろと見せられた気がする。これでもかというほど細かい配慮が積み重なって、「気持ちの良い授業」ができているのを目の当たりにした瞬間でした。
明日は先生の授業のテンポや生徒のやる気に目を向けて過ごしたいと思う。
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プロフィール
HN: Kazu
性別: 男性
自己紹介: 情報の教員を目指す神奈川大学3年生→公立高校教員を目指す私立高校非常勤講師
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